みなさん、こんにちわ。
ここ数年のプロ野球を観戦していて、「データ」というものは欠かせない物になって来ましたね。
OPSやWHIPなど選手を様々な観点から評価できる指標も増えて来ており、様々な角度から選手を分析できるようにもなって来ています。
しかしそんなデータ量の増加に伴って、これまで聞かなかった野球専門用語も増えてきています。それぞれなんのためにある指標なのかわからない人もいると思います。
今日は比較的昔から使われていますが、意外と知らない野球用語「ホールド」について野球初心者にもわかりやすいようにゆっくり見ていくことにしましょう。
ホールドってなに?
まずはそもそもホールド(H)とはどんな記録なのかということを説明していきましょう。
簡潔に言うと、中継ぎ投手を評価する記録です
野球の分業化が一気に進み、昔のような完投するのが当たり前といった考え方は大きく変わりました。
日本でホールド規定がセ・パ両リーグで採用された2005年から(パ・リーグは1996年から採用)のプロ野球12球団の完投数の変遷を見てみると、
年度 | 総完投数 |
---|---|
2005年 | 179 |
2006年 | 189 |
2007年 | 129 |
2008年 | 129 |
2009年 | 172 |
2010年 | 130 |
2011年 | 168 |
2012年 | 131 |
2013年 | 105 |
2014年 | 100 |
2015年 | 95 |
2016年 | 93 |
2017年 | 91 |
2018年 | 85 |
このように2005年と比べると2018年の完投数は半分以下にまで減少しています。そんな背景もあり、これまで地味だった中継ぎ投手にもスポットライトが当たるような記録となっています。
ちなみにホールドポイント(HP)という記録も存在しますが、これはホールドと中継ぎで記録した勝利数(救援勝利)を合わせた記録です。
ホールドってどうやったらつくの?
ではホールドとはどんな場面で投げたらつく記録なのでしょうか。ホールドを記録するためには様々な複雑な条件があります。
以下の4つの共通条件を満たすこと。
- 先発投手、勝利投手、敗戦投手のいずれでもなく、セーブが記録されてもいないこと
- 自チームの最終守備イニングの3アウト目を取った投手(交代完了投手)ではないこと
- アウトを1個以上取ること
- 降板したあと、自身に記録された失点によって自チームが同点に追いつかれて、または逆転されていないこと
この状態で、以下のいずれかを満たした投手にホールドが記録される。
- 自チームがリードしている状況で登板し、以下のいずれかの条件を満たしリードを保ったまま降板する(セーブの条件に準じる)
- 3点以内リードの場面で登板し、1イニング以上投球する
- 迎える2打者に連続本塁打を打たれたら同点または逆転される場面で登板する
- 点差に関わりなくリードした状況で登板し、3イニング以上投球する
- 同点の状況で登板し、以下のいずれかの条件を満たして降板する
- 同点のまま失点を許さずに降板する(自身に記録される失点であるかどうかは関係ない。また、最終守備イニングを投げ終えて引き分けの場合には、その投手に交代完了が記録されるため、上記共通条件の2番目を満たさなくなる)
- 登板中に自チームが勝ち越した場合、リードを保って降板する
該当者が複数の場合は該当者全員にホールドが記録される。また、チームの最終的な勝敗に関係なく記録される(ホールド条件を満たして降板した後、チームが逆転負けを喫した場合でもその投手にはホールドが記録される)。
2004年まで運用された旧規定のホールドとは別扱いで記録される。この旧規定はメジャーリーグの規定と同じ条件であった。
ホールド-Wikipedia
このようにとても難しそうに書いてありますが、噛み砕いて説明すると、接戦の試合で、途中から投げてリードを守ったり、同点の場面の均衡を保った投手にホールドが記録されます。
セーブとホールドの違いは?
セーブ
試合の最後のアウトを奪って勝利した投手
ホールド
接戦(だいたい3点差リードまで)の試合の途中で相手チームを抑えた投手
といった感じですね。もっと詳しく見て行きましょう。
よくセーブとホールドは混同されやすいですが、この2つには決定的な違いがあります。
それは試合終了時にマウンドに立っているかどうかです。
セーブが記録される投手は試合終了時にマウンドに立っている、すなわち相手チームの最後のアウトを奪って勝った投手ということになります。
それに対してホールドが記録される投手は、同点やリードしてる場面で投げて抑えても、まだ相手の攻撃が残っている。すなわち自分の後にも投げる投手がいるということであり、これがセーブとホールドの大きな違いになります。
またもう1つ大きな違いがあります。
それは1試合でセーブは1人しか記録できませんが、ホールドは条件さえ満たせば何人でも記録することができる点です。
今年の広島とソフトバンクの日本シリーズ初戦は延長12回で2対2の引き分けとなりましたが、この試合では広島から6投手、ホークスから5投手と全11投手がホールドを記録するなど、1試合あたりのホールドの人数に上限はありません。(日本シリーズは公式記録には反映されません)
ホールドが多いと?
ホールドは勝利やセーブよりも比較的記録しやすい記録ではあるが故に、あまり注目されにくい記録ではあります。
しかしこのホールドという記録によって、優秀な中継ぎ投手にスポットライトが当たるようになりました。
今シーズン限りで引退した中日の浅尾拓也投手は中日が2連覇を果たした2010・2011年と47ホールド(59HP)・45ホールド(52HP)を記録し2年連続でシーズン最多ホールドを記録、また2年連続で最優秀中継ぎに選ばれています。
この47ホールドという数字は現在でもシーズン最多記録で破られておりません。
ホールドを多く記録するということは、接戦で相手に得点を与えないことが多いということになります。
そうなれば、自ずと接戦を勝ちきることができ、必然的に優勝に近づくというわけでホールドという記録は侮れません。
最後に
色々とホールドのことについて書いてきましたが、ホールドの条件や重要さについてご理解いただけましたでしょうか?
記録や指標が全てではありませんが、記録や指標を正しく理解して野球を見てみると、もっと野球が面白くなるはずです!
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